10. 指針形計器とディジタル計器
指針形計器は、物理量を測定するために使用される古典的な計器である。指針形計器は、測定された値をアナログ的に表示するために使用される。これらは、針が指示板のスケール上を移動することによって、測定値を示す。指針形計器は、電流、電圧、抵抗などの電気的な物理量を測定するために使用さる。これらの計器は、アンメータ、ボルトメータ、オームメータなどの種類がある。
一方、ディジタル計器は、数字で測定結果を表示するために使用される。これらは、マイクロプロセッサによって制御され、電圧、電流、周波数、抵抗、温度などのさまざまな電気的な量を測定することができる。ディジタル計器には、マルチメータ、オシロスコープ、周波数カウンタなどの種類がある。ディジタル計器は、高度な測定や精度が必要な場合によく使用される。
指針形計器はアナログなので、読み取り精度に制限があるが、表示の変化が滑らかで瞬時の変化を捉えることができる。針の位置を読み取ることが難しい場合がある。一方、ディジタル計器は数値的に正確であり、読み取り精度が高く、データを記録したり解析したりすることができる。読み取りが簡単で、データをPCに送信できる等機能が豊富である。
指針形計器
指針形電流計の原理:電流計の指示部は、指針と一体となったコイルと磁石からなる。
コイル部分の模式図で電流が矢印の向きに流れるとき、コイルは磁石による磁場から力を受け、図に示す向きに回転する。(フレミングの左手の法則)
※永久磁石などで発生した磁界中にコイルを配置して電流を流すとトルクが発生する。可動コイル形はこのトルクを利用した直流専用の計器である。
ディジタルテスタ(ディジタルマルチメータ):ディジタルテスタの基本になっているのは直流電圧測定部である。電流、抵抗も最終的にはこの直流電圧測定部で計測している。 テスター内部の決められた抵抗値の抵抗にかかっている電圧を測定すれば、電流がわかるし、一定の電流を流して電圧を測定すれば、抵抗値がわかる。計測器内部で電圧信号をディジタル値に変換し表示する。これにはA/D変換器を使用する。
ディジタル計器
ディジタル計器は、電子デバイスを使用して電気的な信号を数字の形式で表示する計測器具である。ディジタル計器には、温度、圧力、流量、電圧、電流などの様々な物理量を測定するための種類がある。ディジタル計器は、アナログ計器と比較して、より高い精度、安定性、信頼性を持つ。また、ディジタル表示によって読み取りが容易であるため、より正確な測定が可能である。ディジタル計器は、ボタンやダイヤルを操作して測定する場合もあるが、最近のディジタル計器には、センサーを使用して自動的に測定する機能がある。さらに、計測結果を記録するためのデータロガーも備えている場合がある。
計測器とPCのインタフェースは、一般的に、以下の3つの方法が用いられます。
1.USBインタフェース:USBポートを使用して、計測器とPCを接続する。この方法は、USBポートが広く普及しているため、多くの計測器がこの方法を採用している。
2.RS-232Cインタフェース:シリアルポートを使用して、計測器とPCを接続する。RS-232Cは、距離や速度に制限があるものの、信頼性が高く、ノイズや干渉に強いため、一部の計測器で使用されている。
3.Ethernetインタフェース:ネットワークポートを使用して、計測器とPCを接続する。この方法は、長距離での通信が可能であり、複数の計測器を接続することができるため、工場や研究所などでよく使用される。
接続方法によって、専用のケーブルや変換器が必要な場合がある。また、計測器とPCを接続する前に、計測器のドライバーや専用ソフトウェアをインストールする必要がある場合がある。接続が完了したら、計測器からデータを受信するための設定やプロトコルをPC上で設定する必要がある。
計測器からコンピュータへ
(自動計測システム)
計測器とPCによる自動計測とは、計測器にセンサを接続し、そのセンサから得られたデータをPCに送信し、PC上でデータを処理・解析することで、自動的に計測を行うシステムのことを指す。
具体的には、計測対象にセンサを接続し、センサが取得したデータをアナログ-デジタル変換回路を介してPCに送信する。PC上で専用のソフトウェアを使用して、データを解析し、結果を表示することができる。
自動計測システムは、高精度かつ高速なデータ処理が可能であり、人間による手動計測に比べて正確さと一貫性が高くなる。また、大量のデータを処理する場合には、手動計測に比べて時間と労力を大幅に節約することができる。
自動計測システムは、製造現場や品質管理などの分野で広く使用されており、品質管理や生産性の向上に大きな貢献をしている。