3. 冬の暖房は
我が家では、暖房にエアコンと灯油ファンヒータを使っている。そこで気になったのが、電気と灯油のコストである。徒然の愚考であるが(笑)。
ちょっと調べてみると、図1のようなグラフがあった。(https://ecofeel.jp/energy/より)これを見ると電気のコストは灯油に比較して結構高い。電気の場合の発電コスト、送電コスト、発熱コストなどに対して、灯油の場合の石油精製コスト、燃焼コストとの違いと言ったところか。以外と電気の単価が高いと感じる。図2のように単価の算出方法も表記されており、さらに、サイトでは各都道府県別のデータも提示されている。
ただし、この図1の1kWh当たりのエネルギー単価では、COP(Coefficient of Performance)が考慮されていない。COPは、エネルギー消費コストのことで、例えば暖房の場合のCOPは、COP=暖房能力(kw)÷暖房消費電力(kw)で表され、エアコンの場合、4程度になる。消費電力の4倍の暖房能力が期待できることになる。つまり、図1を暖房エアコンで考えると、電気(昼間)で、エネルギー単価は、2.87/4=0.72程度となり、灯油より電気暖房(エアコン)のエネルギー単価は低くなる。図1は、嘘は言っていないが、勘違いさせる恐れがあるので、要注意である。私もエアコンより灯油ファンヒータの方がコストが低いように勘違いしかけた。
では、環境面、特に二酸化炭素排出はどうだろうか。イメージ的には、灯油を燃やす方が二酸化炭素の排出が多いように感じる。図3が、エネルギー別二酸化炭素排出係数のグラフである。ちょっと考えれば分かることだが、電気の生成過程や損失から、灯油より電気の方が二酸化炭素排出係数は大きい。これは、ガソリン自動車より電気自動車の方が環境負荷(二酸化炭素排出など)が大きいという、最近の報告に通ずるものがある。
もっとも図3は、kWhで考えた二酸化炭素排出係数なので、エアコンの場合は、エネルギー消費コストが優れているので、二酸化炭素排出係数はこの図の1/4程度になり、灯油より二酸化炭素排出係数は小さくなる。
これらのデータは色々な仮定のもとでモデルを単純化して算出しているので、単純に信頼することができるものではないが、参考程度にはなる。
暖房を電気にするか、灯油にするか、温度設定をどうするか。室温を下げ過ぎると健康面(運動機能、免疫機能など)の不安もあり、医療費も考慮するとどうなるのか、結構、パラメータの多い難しい問題ではある。